会社設立すれば2年間消費税がかからないという仕組みは上述のとおりですが、
このメリットを最大限に享受できるのはどのようなケースでしょうか?
それは既に消費税が課税されている個人事業者が会社設立を行うケース、いわゆる法人成りの場合です。
上述の納税義務の説明でお分かりいただけると思いますが、個人事業者もまず創業してから
少なくとも2年間は消費税が免税になります。
3年目以降は基準期間、つまり前々年の売上高で納税義務を判定しますが、毎年の売上が1千万円を
余裕で超えるようなら消費税は毎年かかることになります。
ところが、この個人事業者が法人成り=会社設立をして会社として事業を行うことにすれば
あらためてそこで2年間の免税期間が与えられることになるわけです。
個人事業者でも数百万円単位の消費税が課されている方は珍しくありませんから、
会社設立による2年間の免税メリットはばかになりません。
当事務所でも、事業を始めるにあたりまず個人事業として開業するべきか、
最初から会社設立して法人とするべきかご相談をいただくことがあります。
お客様の置かれている状況は様々ですから、非常にお答えすることが難しい問題です。
しかし、個人で開業→消費税が課税されるようになったら会社設立、とすれば最大で4年間、
消費税免税のメリットを享受できる可能性があることは、覚えておいて良いでしょう。
※なお、平成23年の税制改正において、基準期間による納税義務の判定以外に、
「特定期間による判定」という仕組みが設けられたため、会社設立後第2期から消費税が
課税される可能性が出てきました。
特に売上や従業員が一定規模の事業者が法人成りをすれば、これに該当する可能性がありますので、
会社設立前には税理士と十分な打合せをするようにして下さい。