消費税は会社を経営していくうえで最も意識しなければならない税金ですが、

会社設立においても消費税への理解は非常に重要です。

 

ご存知の方も多いでしょうが、会社設立後、最初の2年度は原則として消費税が課税されません。

なぜこのような仕組みになっているのか、そのメリットを生かすためには

どのような点に注意すれば良いのか?

ここではまず最低限理解していただきたい「消費税の納税義務」を中心に解説していきましょう。

 

消費税は原則として2年前(2期前)の売上が1千万円を超えた場合に課税されます。

この「2年前」の1年間のことを基準期間と言います。

 

設立したばかりの会社について考えてみましょう。

その会社の第1期に基準期間は存在するでしょうか?

いいえ、2年前にはその会社はまだ存在しませんから、基準期間もありません。

第2期も同様ですね。

基準期間がない場合は消費税は免税となるため、結果として会社設立後の

第1期・第2期は免税とされるのです。

これが「会社設立すれば2年間は消費税がかからない」の仕組みです。

第3期になれば、基準期間として第1期が存在しますので、

第1期の売上高をもって第3期の納税義務を判定することになります。

 

ここで一つ注意点をお伝えしておきましょう。

それは、「資本金1千万円以上」で会社設立すると、第1期目から消費税を課税するという特例があることです。

ですから特段の事情がない限り、資本金は1千万円未満で会社設立することをおすすめします。

信用面の問題等で資本金を1千万円以上にしておきたい場合は、まず1千万円未満で設立してから

第2期以降に増資を検討されると良いでしょう。