この記事で解説する役員報酬とは、新たに設立した会社から支給される社長の給料、ということです。

社長(代表取締役)以外に役員(取締役)がいれば、その方の給料も役員報酬になります。

 

役員報酬は、会社設立前後、お客様が悩んでしまう問題の代表格なので、

ここで詳しくご案内差し上げて参ります。

 

なお、ほとんどの株式会社設立において、設立当初の役員は社長一人ですから、

この記事でも基本的には役員報酬=社長の給料という考え方で進めて行きます。

 

さて、特に個人事業から法人成りされたお客様についてご理解をお願いしたいのですが、

個人事業の場合、売上から仕入や従業員の給料、諸経費を差し引いて、

残ったお金=利益がそのまま代表者の給料になると考えて差し支えありません。

 

ところが、会社になればその考え方を大きく転換していただく必要があります。

 

会社の場合、原価や経費を差し引いて残った利益はあくまでも会社のものです。

社長が、自分の生活費として自由に使えるわけではありません。

 

社長は自分の生活費として、会社の利益の中から、あらためて給料=役員報酬を

支給してもらう必要があるのです。

その点では、社長も、他の役員も、一般従業員も、同じ取扱いになります。

 

ただし社長は使用者であり、会社とは一種の委託関係にあります。

労働者であり、会社と雇用契約を結ぶ一般従業員とは根本的に異なる部分もあります。

 

その違いが、これからお伝えする役員報酬の取り扱いにも表れているのです。