会社設立において、お客様に最初に手配していただくことは個人の印鑑証明の取得、および会社用の実印の作成です。

公証人役場や法務局に提出する書類には、会社の実印に予定している印鑑を数か所押印する必要があるためです。

 

会社の実印を作る場合、まず注意しなければならないのは大きさです。

商業登記規則によって、会社の実印は1cmの正方形には収まらず、3cmの正方形に収まることと定められています。

この点は印鑑ショップに任せておけばまず大丈夫でしょう。

実際には直径16.5ミリ、18ミリのものが多く作られています。

材質は柘(つげ)、黒水牛、本象牙などがあり、最近はチタン印鑑も人気があるようです。

印鑑の価格は基本的に材質で決まりますから、予算とご自身の好みを比べながらご検討下さい。

もう一つ、会社実印作成にあたっては書体も決めて下さい。

偽造されにくい印相体(いんそうたい)、開運につながる吉相体(きっそうたい)、読みやすい古印体(こいんたい)などがあります。

 

ところでお客様からは「会社の実印と銀行印は別々にしたほうがよいか?」というご質問がよくあります。

別々にしなければならないという法律はありませんので、実印をそのまま銀行印として使用することは可能です。最近は当事務所の会社設立のお客様も同一にされるケースが増えているようです。

但し、紛失の可能性や従業員に預ける場合など、リスク管理を考えればやはり別々にされたほうが安全であることは間違いないと思います。

 

会社設立手続きが完了すれば法務局から印鑑カードというものが発行されます。

これで「実印用の印鑑」は「実印」になりました。

今後、会社の印鑑証明を取得する場合は印鑑カードを法務局に持参すればOKです。

印鑑カードは普段あまり使いませんので、どこにしまったか忘れるケースが多くあります、ご注意下さい。