困るのは、一部の信用調査会社が情報を探り出すため少したちの悪い話術を使うことです。
例えば、あたかも貴社の取引先から調査依頼があったかのようなことを匂わせて、
情報の取得を図る手口です。
ここに一枚、ある信用調査会社から当事務所のお客様に送られてきた手紙がありますので
抜粋してみましょう(一部改変してあります)。
「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社お取引先様から、企業情報調査のご依頼があり、ご連絡させていただきました。
ご依頼先は既存の出入り業者見直しを検討されており、その準備の一環としてこの調査を
依頼されたものですので、ご理解いただければ幸いです。
つきましては、ご多用中誠に恐縮ではございますが、お電話でのご連絡を賜りたく~」
昨今の厳しい景況の中、どの社長さんも大切な取引先を失いたくはありません。
特に会社設立直後であれば、取引先の件数も限られているでしょうからなおさらです。
そんななか、こんな手紙が来れば動転して連絡してしまうのも無理はありませんね。
しかし、手紙の中に「貴社お取引先様から調査のご依頼があり」という件がありますが、
こんなのはほぼ100%でたらめです。
こちらから「取引先とはどこですか」と尋ねても、「依頼者をお教えするわけにはまいりません」と
逃げられるでしょうが、それもそのはず、そんな依頼はどこからも受けていないからです。
取引先が本当に貴社の状態を知りたいのであれば、直接「決算書を見せて下さい」と言ってくるでしょう。
商売のベテランなら、取引先の状態を本当に知りたい時、決算書や元帳の原本を見せてもらう以上の
方法はないことを良く知っています。
会社設立直後だけではなく、事務所を移転した時、新たにホームページを開設した時などにも、
信用調査会社からのコンタクトは多くなります。
企業の大切な情報を無闇にもらすことのないよう、十分に注意しましょう。