地方税法上、個人事業者が廃業した場合には廃業の日から1月以内に都道府県に対して

事業税のみ申告書を提出する定めとなっています。

しかし実態としては多額の譲渡損失等の発生がない限り、申告書は提出しないで確定申告時に

以下の処理を行うことが一般的です。

(例)平成22年2月5日に廃業した場合

平成21年分の確定申告(平成22年3月に提出する)→いつも通り

平成22年分の確定申告(平成23年3月に提出する)→以下①②③の注意点あり

 

①事業税の欄に廃業年月を記入する。

 

②廃業までの所得が一定額を超える場合にはみなし事業税が計上できる(所得税基本通達37-7)。

・みなし事業税=(青色控除前の所得金額-月割り事業主控除額、年間では290万円)×5/105

・月割り事業主控除額は1月未満は切上げとする。また端数処理は都道府県によって異なるので必ず問合せ。

(例えば大阪府では2ヶ月分の控除額は483,333円ではなく、484,000円と定められている)。

・なお廃業の翌年に事業税の賦課決定がなされてから、更正の請求を行って必要経費とすることも可能。

 

③事業税が課税される場合、廃業年度翌年の納付は通常の8月・11月の2回納付ではなく、8月一括納付となる。