それまで個人事業主として事業を営んでいた方が会社設立して、その事業を会社組織に
引き継ぐことを「法人成り」と言います。
法人成りにおいては、どこまでが個人の売上・仕入・経費になるのか、どこからが法人の
売上・仕入・経費になるのか、意識する必要があります。
本来であれば会社として営業を開始した時点で、事業用の口座・クレジットカード・
請求書・名刺・封筒などを個人名義のものから会社名義のものに一斉に切り替えることが
望ましいのですが、会社設立前後は多忙でもあり、商売は相手もあることですから、
実際にはなかなかうまく行きません。
まず会社設立の挨拶状を取引先に送付して、振込先口座を徐々に会社名義のものに切り替えるとしても、
すべて切り替わるには半年程度の期間がかかることも多いようです。
しかしいつまでもずるずると個人名義の請求書や銀行口座を使用していると、将来の税務調査に
おいて個人側、法人側、双方で思わぬ指摘を受け、税金の追徴が発生する可能性もあります。
法人成りの場合は個人→法人の切り替え作業も見越した入念な準備が必要です。
法人成りでは、個人事業主としての最後の年である廃業年度の確定申告についても
注意しなければならない点が多数あります。詳しく確認して行きましょう。