役員報酬を決定する要素として会社の損益、社会保険料、生活必要額の三つの要素を見てきました。
もう一つ、年配の方にご注意いただきたいのは在職老齢年金です。
近頃は、会社を定年退職された方が、退職後に自分で会社を設立し、その長い経験を生かして
活躍し続けることも珍しくありません。
そんな時にご注意いただきたいのがこの在職老齢年金の問題です。
在職老齢年金とは要するに、働いて給料を得ている人がもらう年金、ということですが、
残念ながら、給料が一定額以上になると、年金が減額される仕組みになっているのです。
では、給料=役員報酬がどれくらいなら減額を回避できるでしょうか。
現在の仕組みでは65歳未満と65歳以上で取り扱いが異なりますが、65歳未満では給料+年金が月額28万円以下、
65歳以上では給料+年金が月額46万円以下ならば、年金は減額されません。
上記基準を超えると減額が始まるのですが、超過額と減額幅の関係については計算が少し複雑なので、
必ず日本年金機構のホームページを確認するか、お近くの年金事務所にお問い合わせ下さい。
なお、70歳を超えると、会社の社会保険のうち、厚生年金保険からは外れることとなり、年金保険料の
支払いはなくなりますが、それでもこの在職老齢年金の減額制度は適用されますのでご注意下さい。