会社設立件数全体の2割程度が合同会社の設立です。

会社設立料金は合同会社のほうが安くなりますが、単に設立料金で決めるのではなく、将来の会社像をイメージしながら、どちらにするかご検討いただくと良いでしょう。

このページでは合同会社に関するよくあるご質問をまとめております。

記載のない項目については、どうぞお気軽にお問合せ下さい。

 

 

★とにかく結論!どちらが良いの?

とにかくお急ぎの方、結論だけ知りたい方はまずこちらをご覧下さい。
堺会社設立サービスの基本的な考え方をお伝えいたします。

合同会社をお勧めするケース

以下、①②③全てに当てはまる場合は、合同会社設立が選択肢になります。

①合同会社のメリット&デメリットを十分に理解している。

②会社設立段階の資金状況が極めて厳しく、数万円でも節約しなければならない状況である。

③取引先が固定しており件数が少ない(または飲食・介護など一般向けの事業である)。

株式会社をお勧めするケース

反対に、「合同会社をお勧めする」ケースの①②③、一つでも当てはまらないようなら、株式会社設立をお勧めします。

「よくわからない」「迷っていて決められない」という場合も、株式会社が無難でしょう。

正直なところ、設立料金がいくらか安くなること以外、合同会社のメリットはそれほどありません。

将来の大きな可能性も踏まえて、最初から株式会社でスタートされると良いでしょう。

★合同会社の設立に関するご質問

合同会社の設立は株式会社とどこが異なりますか。

合同会社の設立手続きは、大きく以下の二点で株式会社と異なります。

一、
新会社の代表となる方(=社長兼出資者)の印鑑証明書は、株式会社の場合2通必要ですが、合同会社の場合は1通用意すればOKです。

二、
株式会社は取締役に任期があるため、その任期を何年にするか前もって決めておく必要があります(最長で10年)。
一方、合同会社では取締役に任期がないので、年数を定める必要もありません。

合同会社の設立費用は株式会社といくら違いますか。

特に、役所へ払う費用(法定費用と言います)が異なります。

以下の金額は、専門家へ依頼しないで、ご自身で手続きされた場合の費用です。

【株式会社の場合】
・定款に貼付する収入印紙代 40,000円
・公証人役場への定款認証費用 52,000円
・法務局への登録免許税 150,000円

【合同会社の場合】
・定款に貼付する収入印紙代 40,000円
・公証人役場への定款認証費用 なし
・法務局への登録免許税 60,000円

合計では242,000円と100,000円、差額は142,000円となります。

合同会社の設立でも会社用の印鑑は必要ですか。

はい、必要です。

会社設立では、事前に会社の実印とする印鑑を注文して、役所への提出書類に数か所、その印鑑を捺印します。
その手続きは株式会社でも合同会社でも違いはありません。

なお、会社用の印鑑注文はなかなか面倒です。
お店選びから始まり、直径・材質・字体など、いろいろと考えることがあります。

堺会社設立サービスでは、お客様のお手間を省くため、会社用の印鑑注文も格安で代行しております。
詳しくはこちらのページをご確認下さい。

合同会社を後から株式会社に変更できますか。

合同会社を株式会社に作り替えることは可能です。
これを「組織変更」と言います。

しかし、これを簡単に考えてはいけません。

まず役所での手続きは、費用が少なくとも10万円程度、期間が一か月程度かかります。

さらに大変なのはこの後です。
名刺・封筒・看板やホームページを作り替え、取引先へのご案内、銀行口座や各種契約名義の変更、考えただけで頭が痛くなりますね。

とりあえず合同会社を作り、必要があれば株式会社へ組織変更、という考え方はあまりお勧めできません。
最初の会社設立段階で、これからの10年20年を見据え、株式会社・合同会社をしっかり選択しましょう。

★合同会社の運営に関するご質問

合同会社の運営は株式会社とどこが異なりますか。

現実的には、合同会社の運営手続きは株式会社とほぼ変わりありません。

日常の取引、経理処理、給料計算、税金や社会保険の各種手続き、それらの事務的・金銭的負担は全く同じと言って差し支えないでしょう。

強いて違いを挙げるとすれば、株式会社では数年に一度、取締役の再任登記(その際の登記費用1万円)が必要ですが、合同会社はこの手続きが必要ありません。

合同会社は株式会社より税金・社会保険料が安くなりますか。

いいえ、残念ながら安くはなりません。

会社にかかる税金は、大きく法人税・地方税・消費税の三種類があります。
これら税金の計算方法は、株式会社と合同会社で全く同じです。
従って売上や利益が同じ金額であれば、それが株式会社でも合同会社でも、同じ税額になります。

社会保険料についても、従業員への支給額が同じなら、保険料の会社負担額・本人負担額は、株式会社と合同会社どちらでも同じです。

合同会社を運営するメリットは何でしょうか。

合同会社は、運営面で多くのメリットがあると言われています。

主なものは以下の通りです。

1 出資者は出資の範囲内で責任を負う(有限責任)。
2 出資者と経営者が同一であるため迅速な意思決定が可能。
3 決算公告の義務がない。
4 取締役の任期がない。
5 配当が出資割合に関わらず自由に決定できる。

ここではそれぞれを詳しくは解説しません。
しかしながら、以上に掲げたメリットのほとんどは事実上、株式会社でも実現できるものばかりです。
4だけは確かに合同会社特有ですが、あまり大きなメリットとは言えません。

合同会社を運営するデメリットは何でしょうか。

合同会社について、金銭的・手続的な面で大きなデメリットがあるわけではありません。
合同会社にもしデメリットがあるとすれば、それはイメージ面の問題です。

日本国内における企業の大半は株式会社です。
特に有名企業はほぼ全てが株式会社、例えばトヨタ自動車やパナソニックも株式会社ですね。
我が国において、「株式会社」という名称には一定の信頼感が形成されていると言えるでしょう。

一方で合同会社は2006年にスタートした新しい制度なので、名称そのものにまだ知名度がありません。
有名企業にも、合同会社はほとんど存在しませんね。
多少制度に詳しい人なら、合同会社は何らかの理由で小規模・低コストを指向した企業であることを知っています。

このような知名度のなさ、あるいは低コストのイメージは、長く営業を続ける上で、目に見えない損失を持たらす可能性があります。
新規の取引先は、同じ取引条件なら株式会社と合同会社のどちらを選ぶでしょうか。
求人の応募者は、同じ待遇なら株式会社と合同会社のどちらを選ぶでしょうか。
これらを考えると、現時点での合同会社最大のデメリットは、イメージによる機会損失であると言えるかもしれません。

もう一つ具体的なデメリットとして、合同会社の場合、出資者の議決権は出資金額にかかわらず、全員平等に(一人一票)与えられる点に注意しましょう。
この点は、出資金額に応じて株主の権利が定まる株式会社と大きく異なります。
もちろんこのデメリットは、一人が資本金を全額出資する場合は気にする必要がありません。
合同会社の場合は、株式会社以上に、他人の出資をなるべく受け入れない方向で準備を進めましょう。