重畳的債務引受を行うためには、金融機関との協議が必要ですが、会社側でも株主総会を開く必要があります。

 

一、金融機関との協議

 

手続きはまず、金融機関に対して法人成りの事実を報告することから始まります。

 

日本政策金融公庫や各都道府県の信用保証協会など、公的な金融機関では「重畳的債務引受契約書」がちゃんと用意されています。

その契約書に個人と法人、両方が捺印しなければなりません。

 

手続きにおいてはその他に個人の印鑑証明書、法人の印鑑証明書や履歴事項全部証明書、その他様々な書類の準備を指示されますので、準備もれがないようにご注意下さい。

 

返済口座については、これまでの個人名義口座から法人名義口座に変更する必要があります。変更直後に残高不足を起こさないよう注意しましょう。

 

二、株主総会決議

 

法人が債務引受を行う場合、株主総会決議が必要となります。

 

法人成り前の個人が新設法人株式の100%を保有している場合、株主総会は形式的なものですが、念のために株主総会議事録も作成しておきましょう。

 

議案の例文を以下に掲載しておきます。

 

第○号議案

鈴木一郎が、大阪信用保証協会との信用保証契約に基づき、新大阪銀行から借り入れた借入金(令和○年○月○日における借入元金残高○○円)に関して、当社が別紙重畳的債務引受契約書の要領により、大阪信用保証協会および新大阪銀行に対して重畳的債務引受を行う件

議長は議案の内容を説明し、該当の重畳的債務引受契約書を朗読してその賛否を諮ったところ、満場一致でこれに賛成した。