許認可業種の事業目的

以前にこちらのページで、事業目的のあらましを解説させていただきましたが、特に事業目的の決め方・登記する文言について注意しなければならない業種を詳しく見ていくことにしましょう。

 

事業目的の検討で特に注意しなければならないのは、いわゆる許認可業種と呼ばれる業種です。

わが国では、多くの事業は個人でも会社でも自由に始めることができます。

一方で、いくつかの事業については、行政の許認可が必要とされています。

 

許認可業種の代表例として、介護、建設、不動産、運輸、などが挙げられます。

何らかの形で人の「安全」に関わる業種は許認可業種となる可能性が高いですね。

 

これらの業種では会社設立後、さらに必要な許認可を行政から取得しなければ、営業を始めることができません。

その許認可を取得するために、事業目的の文言を適切なものにしておく必要があるのです。

他の要件を満たしていても、事業目的に必要な文言がないだけで許認可を受けられないことがあります。

 

必要な文言を入れ忘れた場合は会社設立後に追加することも可能ですが、30,000円の登録免許税(法務局に対する手数料のようなもの)が別途かかってしまいます。

時間のロスも発生しますので、会社設立の最初の登記できちんと事業目的は決めておきましょう。

 

ここでは、特に当事務所でお手伝いすることの多い介護と建設についてご案内します。

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介護の事業目的

介護事業を行うためには、会社設立後に堺市の事業者指定を受ける必要があります。

ですから、どのような事業目的が適切なのか、堺市の当該部署に確認するのが最も確実と言えるでしょう。

 

以下に掲げる事業目的は、2014年に堺市介護事業者課に確認して、概ね汎用的な内容であると回答をいただいたものです。

 

1および2に訪問介護・通所介護・訪問看護・リハビリテーション・入浴介護・福祉用具の貸与が含まれ、5および6に認知症サポートやグループホームなどが含まれるため、7以降の障害者系を含め、この事業目的であればほぼすべての介護サービスについて事業所指定の申請が可能となります。

 

そのため、当事務所で介護事業者の会社設立をお手伝いする場合はこの事業目的を基本として、お客様の要望に応じてアレンジを加えております。

 

【注意】

市町村毎に必要とされる文言は異なるため、これから会社設立される場合は必ず営業される市町村の担当部署でご確認下さい。

 

1.介護保険法に基づく居宅サービス事業

2.介護保険法に基づく介護予防サービス事業

3.介護保険法に基づく居宅介護支援事業

4.介護保険法に基づく介護予防支援事業

5.介護保険法に基づく地域密着型サービス事業

6.介護保険法に基づく地域密着型介護予防サービス事業

7.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業

8.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく地域生活支援事業

9.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく一般相談支援事業

10.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく特定相談支援事業

11.前各号に付帯する一切の事業

 

(2016年追記)

2015年ごろから、障害児を主な対象とする学童保育、いわゆる放課後等デイサービスのご相談を増えてきました。

こちらも広い意味では介護事業の一種であり、堺市の指定を受ける必要があります。

放課後等デイサービスのため会社設立する場合、事業目的には以下二つの文言を加えると良いでしょう。

・児童福祉法に基づく障害児通所支援事業

・児童福祉法に基づく障害児相談支援事業

 

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建設の事業目的

建設業では、1件500万円以上となる工事を請け負う場合、建設業の許可を取得しなければなりません。

逆に言えば500万円未満の工事だけを請ける場合、許可は不要です。

その点で、建設業は100%の許認可業種とは言えないかもしれません。

 

しかし、個人職人ではなく、会社設立されるケースではある程度の規模で営業されることが想定されます。500万円以上の工事を今後も全く請けないということは考えにくいでしょう。

 

ですから、私どもでも建設業の会社設立をお手伝いする場合は、基本的に建設業許可のことまで考えながらご案内を行い、事業目的も検討させていただきます。

 

さて、建設業許可は28種類に区分され、建設業者は自社の専門に応じて必要な許可を取得することになります。

その際の事業目的ですが、例えば「内装仕上工事」と定めた場合は、その建設業許可しか申請できないのに対して、「建築工事業」「土木工事業」と定めればどの許可でも申請できる都道府県が多いようです。

 

しかし事業目的は許可取得のためだけではなく、登記上、この会社は何が専門であるか明確にするという役割もあります。

従って、まず最初にその会社の最も得意な専門業種を記載して、その後に汎用的な事業目的を続けるのが一つの方法でしょう。

 

例:

1、内装仕上工事業

2、建築工事業

3、土木工事業

4、・・・・・

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