法人成り後の予定納税・中間納税

これまで個人で事業を営んでおられた方が、会社設立してその事業を会社に引き継ぐことを法人成りと言います。

この場合、その法人成りまでの期間については個人事業として確定申告が必要です。

例えば、ある年の10月1日に会社設立した場合、その年の1月1日から9月30日までは個人として事業をしていたのですから、その9か月分については個人事業者として確定申告が必要になるわけです。

 

ところが、その確定申告を終えても、個人事業者としての税務手続きはまだ完了ではありません。

確定申告で計算された税額により、所得税について予定納税、消費税について中間納税が発生する可能性があるためです。

 

予定納税・中間納税とは、一定の税金が発生している方について、今年も同じくらいの税金が発生することを予想して、その1/2〜1/3を前払いしてもらう制度です。

所得税、消費税でそれぞれ以下の基準と納税額が定められています。

 

・所得税の予定納税

予定納税基準額が150,000円以上となるときは、7月末までおよび11月末までに、予定納税基準額の各3分の1相当額を納税しなければならない。

※予定納税基準額は所得の種類により計算方法が異なりますが、基本的には差引所得税額−源泉徴収税額と考えれば良いでしょう。

 

・消費税の中間納税

確定消費税額が48万円超となるときは、8月末までに、確定消費税額の12分の6の消費税額とその63分の17の地方消費税額を納税しなければならない。

 

つまり、ある年の9月末で個人事業を廃業(=法人成り)、翌年の3月に9カ月分の確定申告を行っても、その確定申告で基準額を超える所得税・消費税が発生した場合には、さらにその数ヵ月後、予定納税・中間納税をしなければならなくなるのです。

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予定納税への対応策

前年中に法人成りを済ませて個人事業を廃業している場合、今年は個人事業について一切の収入・経費・税金は発生しません。

それなのに予定納税をして、また還付申告までするのはずいぶん面倒なことです。

 

幸い、予定納税には減額申請という一種の救済制度があり、この申請を行うことで予定納税を回避することが可能です。

予定納税は比較的簡便な手続きで、特に法人成りの場合はこの減額申請書1枚を提出するだけでOK、特に添付書類も要りません(法人成りした時に、会社設立関係の届出書類がきちんと提出されていることが前提です)。

 

提出期限は7月15日ですが、忘れないうちに早めに提出しておきましょう。

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中間納税への対応策

所得税の予定納税については、上述の通り、減額申請という手続きで実質的には納税を回避することが可能です。

 

一方、消費税については、個人廃業時に廃業届のほか、消費税の「事業廃止届出書」という用紙を提出すればOKです。

実務上、この届出書を提出すれば、管轄の税務署で処理を行い、翌年の消費税中間申告書・納付書は送付されません。

 

もし、「事業廃止届出書」の提出を忘れて中間申告書・納付書が送られてきたら、「仮決算による中間申告」という方法もあります。

これは簡単に言えば、その年の1月1日から6月30日までの消費税だけ確定申告を行うというものです。

前年中に法人成りしている場合、今年は個人事業について一切の収入・経費が発生していないはずなので、結果的に納付税額はゼロになります。

仮決算による中間申告の期限は毎年8月31日です。

 

「事業廃止届出書」の提出を忘れ、「仮決算による中間申告」もしなければ、中間納税額は確定してしまいますので注意しましょう。

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