会社設立と発起人

発起人とは新しく設立する会社について、どのような会社にするかアイデアを出した人、

企画した人のことを言います。発起人は自然人でも法人でも構いません。

発起人は定款(新会社の企画書であり、会社設立後はその会社の憲法となります)を作成して

署名します。

 

会社設立は大きく以下の手順で行われます。

発起人による定款の作成

公証人による定款の認証

発起人による株式引受

取締役の選任

法務局での登記申請

 

会社設立に際して、発起人が新会社の株式全てを引受するものを発起設立と言い、

一方で発起人が株式の一部を引き受け、残りの株式を他の出資者が引き受けするものを

募集設立と言います。

発起人は全部であれ一部であれ、少なくとも一株は新会社の株式を引き受ける必要があります。

つまり発起人は必ず株主ですが、株主は必ず発起人というわけではありません。

 

しかしながら一般的な起業においては、その方お一人が発起人となり、株式を全額引き受け、

代表取締役にも就任するという発起設立のパターンが大半です。

現実的には発起人=株主=社長とお考えいただいていいと思います。

 

株主、発起人には基本的に就任資格として求められる要件がありません。

つまり未成年者や成年被後見人でも発起人になることは可能です(但し後見人の代理が必要です)。

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持ち株比率と株主の権利

会社設立は起業される方がお一人で全株を引き受け、そのまま代表取締役に就任するパターンが

大半です。このような会社を一人オーナー会社などと呼びます。

会社設立でこのパターンが多く見られるようになったのは、平成18年の新会社法で最低資本金規制が

なくなったからです。

それまでは株式会社設立の場合、資本金は最低1千万円が必要でしたからお一人ではなかなか

準備することが難しく、家族や親戚、友人などに出資を仰ぐ例が多く見られました。

 

一方、今でも代表者を含めた複数人の株主でスタートする会社も見られます。

いくら最低資本金規制がなくなったと言えども、会社を立ち上げて軌道に乗せるまでには、

業種の差はあれ、それなりの資金が必要です。

借入という手段もありますが、返済の必要がない資本金で用意できればそれに勝るものはありません。

 

ただ注意しなければならないのは、第三者の出資を受け入れた場合、その第三者には出資割合に

応じて一定の権利が発生するということです。

株式をどれだけ保有すればその株主はどのような権利を有するのか、主なものを挙げておきましょう。

 

1、発行済株式の100%を保有

そのうえで代表取締役に就任すれば、その会社ではいわば神様になります。

全てを自分の意志で決定することが可能です。

 

2、発行済株式の2/3以上を保有

株主総会の特別決議が可能になります。特別決議とは定款の変更、取締役の解任、合併や解散など

非常に重要な事柄を決める決議です。

中小企業オーナーの場合は、できる限りこの2/3以上を保有すべきでしょう。

 

3、発行済株式の1/2超を保有

株主総会の普通決議が可能になります。過半数なら一応その会社で一番権力を有する人です。

但し上記の2/3以上株主と異なり、特別決議は単独で通せませんから絶対的権力とは言えません。

 

4、発行済株式の1/3以上を保有

上記2の裏返しになりますが、1/3以上を保有すれば特別決議を単独で阻止することが可能です。

1/3以上保有する株主についてはオーナーは会社運営にあたり相当意識する必要があるでしょう。

 

5、発行済株式の3%以上を保有

株主総会の召集、帳簿の閲覧ができます。この帳簿の閲覧はオーナーにとっては相当の脅威です。

帳簿とは会社のほとんど全ての経理関係資料を指しますので、日ごろどのような経営がなされているか

丸わかりになります。

 

6、発行済株式の1%以上を保有

株主総会における議案提出権が認められます。

 

会社においてはたくさん株式を保有している人、つまりたくさんお金を出している人が偉い人です。

株式を10%しか保有しない代表取締役Aさんと、役職についていないが株式を90%保有している

Bさんがいる場合、Bさんのほうが強い立場にあると言って良いでしょう。

ただ上述のように少数株主でも、その権利はなかなか軽視できないものがあります。

会社設立において、第三者から出資してもらう場合にはこの点を十分にご注意下さい。

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株主の税務

会社設立において株主となった方は、税金に注意する必要があるでしょうか?

通常、自己資金を金銭出資により払込みすれば基本的に課税関係は発生しません。

一方で税金に注意しなければならないのは以下のような場合です。

 

1、現物出資において出資資産の評価が低すぎる場合

取得した株式の取得価額は、本来は出資資産の時価相当額であるはずです。

ところが資産の評価が低すぎる場合(時価相当額の1/2に満たない場合)は

差額が課税対象になります。

(なお出資資産の評価が高すぎる場合には、基本的に課税関係は発生しません)

 

2、払込資金を家族や友人に出してもらうような場合

家族や友人に出してもらうのであればその人が株主になるはずですが、その分を自分名義で、

つまり自分を株主として会社設立した場合には、贈与があったものと考えられます。

年間110万円以上の贈与は基本的に贈与税の対象となりますので注意しましょう。

 

以前は最低資本金規制のおかげで、会社設立での資本金にまつわる悩み・相談は多種多様な

ものがありました。

しかし新会社法でこの規制は撤廃されたわけですから、変な課税関係が発生しないように、

無理のない範囲で資本金の金額は決めると良いでしょう。

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