複数代表の注意点

会社設立において、複数代表とする場合の実務的な注意点をいくつか見ておくことにしましょう。

 

1、定款

 

会社設立では、定款というその会社の最も基本的なルールを作成します。

そのなかで代表取締役について以下のように定めるケースが見られます。

「当社に複数の取締役を置く場合、そのうち1名を代表取締役とする」

 

複数代表の場合は、ここを以下のようにする必要があります。

「当社に複数の取締役を置く場合、そのうち1名以上を代表取締役とする」

または

「当社に複数の取締役を置く場合、そのうちから代表取締役を選定する」

 

また同じ条文の中で、代表取締役を「取締役の互選」とするのか、「株主総会の決議で定める」のかも定めますのでどちらが良いかよく検討して下さい。

 

2、実印

 

次に会社の実印です。

通常(つまり代表取締役が一人の場合)会社の実印は一つですが、代表取締役を複数置く場合はそれぞれに実印を登録することが可能です。一方で誰か一人だけの登録でも別に構いません。

 

つまりAさん、Bさん、Cさんと3人の代表取締役を置く場合、全員が実印登録することも、AさんとCさんの二人が登録することも、Aさんだけが登録することも認められるわけです。

 

各代表取締役が各自の判断で機動的に契約を結びたい場合は複数登録が良いでしょう。

反対に、複数の代表取締役のなかでも誰が主導権をとるのかある程度はっきりしている場合は、その方だけの実印登録にしたほうが良いのかもしれません。

会社設立した後で誰かの実印を追加登録することは可能なので慎重に検討して下さい。

 

実印登録で代表取締役と実印はひもづけされます。

従って契約書などに捺印する場合にAさんで登録した実印を捺印するときは「株式会社○○ 代表取締役A」と記名します。

ここで「株式会社○○ 代表取締役B」と記載すると契約の効力に影響を及ぼしかねないので注意しましょう。

 

また実印を複数登録する場合は異なる印影とする必要があります。

字体(古印体、篆書体など)を違うものにしておくと、ぱっと見ただけで判別しやすいようです。

 

3、役員任期

 

最後に、複数代表の会社設立でもう一つご注意いただきたいのは取締役任期です。

一人が起業として行う会社設立、すなわち一人が100%株主兼代表取締役となる場合、重任登記のコストも考えて法的な最長任期である10年にされることが多いと思われます。

 

一方で複数代表の場合は業績に対する責任の明確化などを考え、5年、3年、2年などで任期を定めることも多いようです。

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